2010年 03月 20日
松林図
息子を連れて長谷川等伯展に行った。
ものすごい人で絵画、とくに日本画を鑑賞する環境ではない。
じっくり見るのは諦め、この展示会でともかく息子に見せたかった『松林図』へ。


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我が国の水墨画の最高峰といわれる作品。

西洋絵画や写真などという、西洋発のアートと対極にある、日本人の世界観をこれほど端的に表現している作品も少ないだろう。

ルネッサンス以降の西洋の絵画の考え方の基本である透視図法では、対象を見るE.P (視点)が決定される。
これにより、世界を見つめる芸術家の存在というものが重要になる。(写真もしかり。)
世界を主体的に観察し、美を認識するのは芸術家の意識であり、哲学である。

しかし、等伯の視点は、芸術家の自意識を感じさせず、心象風景の中をさまよい、自由である。
そして、現実の世界と屏風の中の世界との境界はとてもあいまいだ。

そうこのまま、松林の中へ歩いて行きたい。
そんな気持ちを自然に抱かせる。

日本美術の奇跡のような作品。
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by 08eMezzo | 2010-03-20 10:11 | 日記


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